木の根明く 2025年03月21日 l3月になると、土手に積もった雪の木立の根元の周囲の雪が、同心円状に溶けて洞になる。曇り空が続いていてももこの現象は確実に進行する、早春の地表的な営みの一つである。寒くともこの光景が始まると春の足音を聞く思いがする。「木の根明く」この現象は春の季題にもなっていることを思うと、北国に住む人のみが感じるものかとも思う。雪どけが始まった川の流れにも「水温む」のを感じるのも同じ感性だろう。